この展示をするきっかけと、企画のコンセプトから教えて下さい。

このハートランドBARには、以前から目をつけていました。人の出入りが多く、色々な人が集まる場所。天井高もあって、カウンター前のマルチプロジェクタースクリーンも横幅が10mあります。「作品を展示するには面白い場所だなあ」と、考えていました。照明も暗めで、普通のギャラリーとは違うわけですが、六本木ヒルズという特殊な場所と、そういう空間デザインが面白かった。

ハートランドビールは、ボトル自体もオシャレで面白い題材なので、そこでブツ撮りの人とコラボすれば、面白いものができるのではと、1年程前から考えていました。今年、六本木ヒルズとこの店舗が10周年を迎えるにあたり、この企画を提案させて頂きました。

ハートランドはボトル自体が個性的ですが、どのように撮影の依頼をされたのですか。

依頼に関して、特にテーマやコンセプトを設けず、瓶を渡して「好きに撮ってください」と、お願いしました。ただしボトルを割ったり汚すなど、ネガティブなブランドイメージに繋がるような事だけはしないで下さいと、お伝えしました。

股にボトルを挟んでいる内山さんの作品も、打合せ段階でOKがもらえるのか少し心配しましたが(笑)、こういう表現もないと盛り上がらないので、ギリギリのラインを狙ってくれています。おかげさまで、入り口横の展示という事もあり、写メを撮られるお客さんが沢山いらっしゃいます。

  •  店内掲出風景

普通の広告写真では成立しづらいビジュアルですが、そこが返ってそそられますね。

そうですね。オシャレな感じでまとめてくれていると思います。 メイクアップアーティストのRyujiさんに手伝って頂き、レタッチはホワイトスタウトの須戸さんと、贅沢なスタッフで制作されています(笑)。

映像系やCGアーティストも参加されていますよね。

今回、ディレクションをお願いしているADの奈良繭さんと色々話をしていて、「せっかくスクリーンがあるので、映像系の人も2〜3人声をかけたら面白いんじゃない?」という事になったんです。 早速CGアーティストの早野海兵さんにお声をかけたら、「ビール好きだからいいよ」と、一発でOKを頂きました(笑)。

プログラミングを絡めた映像を制作されている山口崇司さんは、仕事の関係でスケジュールがタイトだったのですが、普段作っているプログラミングをうまく応用して、締め切りに間に合わせてくれました(笑)。 この場所は常に音楽が鳴っていますし、映像は音に反応して動きが変化するようになっているので、音と映像がマッチしてインタラクティブな映像に仕上がっています。

展示プリントは大きいので、迫力があります。

大きいサイズはB0に出力しているので、迫力もあります。週末はごったがえしているのですが、お客が立って飲んでいても作品が遠くから見えるように、高めの位置に取付けてあります。
写真はエプソンの業務用プリンタで出力しています。このボトルのグリーンは印刷でも出しにくい色ですが、インクジェットは色域が広いのでまったく問題なく、各フォトグラファーも色に関しては一発OKでした。

こういう試みが広がるといいですね。

商品撮影の方は、本当に裏方と言いますか、普段仕事で名前が出る事は少ないじゃないですか。日本のブツ撮りフォトグラファーは優秀な方も多いので、そういう方達の名前を知って頂けたら嬉しいですね。こういう作品を見て頂いて、そこから何かまた繋がればいいなあと思います。
今回の反響次第では、次回メンバーを変えたりコンセプトを決めてやるとか、今後の展開も色々考えられます。この場所は外国人の観光客も遊びに来ますし、普段、写真をあまり見ない人達へのプレゼンテーションにもなっている気がします。